日経新聞:デジタル化でルール大転換 法人課税、国際合意の意義

2021年10月、約130カ国・地域により、新たな国際法人課税ルールに関する国際合意がなされた。今回の合意は、経済協力開発機構(OECD)のBEPS(税源浸食と利益移転)プロジェクト「行動計画1」に関するもので、その内容は第1の柱と第2の柱に分かれる。
第1の柱はデジタル課税を目的として、一部に伝統的な国際課税とは全く異なる課税方法を取り入れる。利益Aと呼ばれる「利益率が10%を超える残余利益の25%」の部分に対する課税権について、それが生じた国でなく売り上げが生じた国に配分される。
第2の柱は各国共通の最低税率の設定により、多国籍企業の租税回避を防止することを目的としている。その中心となる所得合算ルールでは、各国共通の最低税率が15%とされ、外国子会社が最低税率を下回る税率の国・地域で利益を上げた場合は、自国でその利益が親会社の利益に合算されて不足分が課税される。
デジタル課税、すなわち第1の柱に焦点を絞り、国際課税の問題を考えたい。