大手銀行の値下げで影響を受けた地銀、更に手数料値下げで経営は厳しい
地方銀行で今秋、地域ごとの横並びを意識した振込手数料の引き下げが広がった。デジタルを使ったサービスが広がるなか、インターネット経由の取引を優遇する動きが目立つ。関東北部では全行がネット振込の手数料のみ引き下げ、下げ幅はほぼ同水準だった。一方、九州地方では半数の銀行が店舗窓口での振込のみ引き下げており、地域内で突出した動きをとりづらい難しさも浮かぶ。
銀行同士が共通システムを使ってお金をやりとりする際にかかる銀行間手数料が10月に下がったことに伴う措置だ。銀行間送金を担う「全国銀行データ通信システム(全銀システム)」の運営にかかる費用が振込金額が3万円未満の場合は117円、3万円以上なら162円かかっていたのが、一律で62円になった。
地銀では99行のうち97行が他行宛ての振込手数料を引き下げた。これまで数百~1000円弱に定めていた他行宛ての手数料を、銀行間手数料の下げ幅に合わせて50~100円程度下げる例が目立つ。改定を公表していない宮崎銀行と東京スター銀行も今後、引き下げに動くとみられる。