日経新聞:相続金融資産、首都圏へ流入 筑波大などの調査で鮮明 分析結果、地方創生に活用
「人口が首都圏に集中していれば相続金融資産も首都圏に移転する」これを裏付けた形ですね。地方創生のために今後、相続税に関わるどのような施策が検討されていくか?注目されるところです。
筑波大学などが実施した相続に伴う資産の流れを「見える化」する分析で、東京や周辺部への金融資産の移転が進んでいることが浮き彫りになった。
被相続人が所有していた金融資産の額を人口比や相続件数などを考慮して地域別に計算。東京都の占める割合は約8%、大阪府20%、準都会32%、地方は約40%になった。
一方、相続を受けた後の金融資産額の地域別の割合は、東京都が約11%、準都会が約34%で、被相続人の金融資産の割合を上回り、資産が他の地域から移転してきたことがわかる。逆に大阪府は約16%、地方は約39%で相続に伴って他の地域に流出したと判断できる。
東京都は、地域外から流れ込む金融資産の割合が53.5%で唯一、過半を占めた。地方の可動産の8.4%が東京に、9.2%が準都会に移転するなど、金融資産が地方から東京都や周辺部などにシフトしている。
都道府県別に相続前後で金額がどう変化したかを分析すると、流入額(1案件あたり)のトップは神奈川県の81万1000円。次いで東京都65万4000円、千葉県35万7000円など首都圏の自治体が上位3位を占める。逆に流出額が多いのは、長野県の96万1000円、群馬県の31万3000円など。
相続人となる子供が地方から首都圏に移動し、配偶者を亡くした人が地方から都会に住む子供を頼って引っ越す例が増えている。これに伴い、相続資産も都市部に移動する傾向があることはこれまでにも指摘されてきた。今回の分析は具体的なデータで資産の流れを裏付けた形だ。