読売新聞:雇調金もらいすぎ、コロナで助成率増え…検査院の抽出調査分だけで12億円 企業の取り分に
過大分の返還の定めがないのをいいのに意図的な申請?
完全に隙間を狙い、堂々と利益計上ですから悪意というよりモラルの欠如ですかね
新型コロナウイルスで打撃を受けた企業の休業手当を国が助成する「雇用調整助成金(雇調金)」を、過大に受け取るケースが相次いでいる。従業員に支払った休業手当の倍近くを受け取った企業もあり、会計検査院の抽出調査分だけで過大受給は約12億円。相当額が従業員に渡らず、企業の取り分になっているとみられる。
過大受給は、今年4月、西武ホールディングス(HD)傘下のタクシー会社「西武ハイヤー」(埼玉県所沢市)で起きたケースを読売新聞が報じ、発覚した。
同社は、コロナ禍による利用客減少を受け、従業員の休業を実施。昨年度、約4億6700万円の雇調金を受給したが、支払った休業手当は約2億8000万円で、約1億8700万円もの差額が生じていた。
同社は労使協定で、個々の従業員に支払う休業手当を「基本給の全額か、直近3か月の平均賃金の6割のいずれか高い方」と規定。大半の従業員に基本給分を支払っていたが、雇調金は前年度の平均賃金の相当額が支払われた。運転手の賃金は主に基本給と歩合給で構成されるため、歩合給分が過大になったという。
報道を受け、埼玉労働局は調査を実施。しかし、申請内容に虚偽はないとして「不正受給にあたらない」と認定し、過大分の返還を求める規定がないため、返還も求めなかった。
西武HDは読売新聞の取材に「受給した雇調金は雇用維持に活用している。今後も当局の指導に従っていく」と説明。一方、西武ハイヤーの従業員男性は「もらいすぎたなら還元してほしい」と不満を漏らす。