日本政策金融公庫はこのほど、国民生活事業の2021年度上半期の創業融資実績(創業前及び創業後1年以内)は1万4171先(前年同期比▲47.6%、前々年同期比6.6%増)、760 億円(前年同期比▲54.5%、前々年同期比▲9.7%)となったと発表した。先数の内訳をみると、「創業前」融資実績は、7014先(前年同期比26.0%増)と増加。一方で、「創業後1年以内」融資実績は、7157 先(同▲66.7%)と大幅に減少した。
「創業後1年以内」融資が大幅に減少したのは、前年度上半期がコロナ禍において資金需要が急増(前年同期比338.3%増の2万1495先)した反動とみられる。一方、「創業前」融資実績は、2020年5月(1049先)をボトムに緩やかな回復傾向にあり、2021年度は前年実績を上回る水準で推移している。特に、若年層の女性向けの実績は、2019年度上半期を上回る水準となっている。
若年層の女性向けの創業前融資実績を年代別にみると、「24歳以下」が39先で、前年同期比85.7%増、前々年同期比25.8%増、「25~34歳」が525先で、前年同期比57.2%増、前々年同期比17.7%増と増加が目立つ。また、女性の創業前融資実績を業種別にみると、2021年度上半期は「サービス業(主に理美容院や美容関連等)」が前々年同期比 18.4%増の835先となった。
こうしたトレンドは、新型コロナウイルスの影響が長期化し、厳しい雇用情勢が続くなか、若年女性層が、創業を選択肢の一つとして考え、実際に行動に移す動きが活発化してきていることが背景にあるとみられている。日本公庫では、引き続き創業者の資金需要に着実に対応していくとともに、セミナー・イベントの開催や、創業希望者への情報提供、コロナ禍に創業した人々の事業を軌道に乗せていくための支援等にも積極的に取り組むとしている。
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日本政策公庫:創業融資 令和3年度上半期実績 14,171先760億円
(タックスコム提供)