厚生労働省が公表した「毎月勤労統計調査」結果速報によると、従業員5人以上の事業所の9月の一人平均現金給与総額は、前年同月比0.2%増の27万19円で7ヵ月連続の増加となった。給与総額のうち、基本給に当たる所定内給与は0.1%増の24万5835円で2ヵ月ぶりの増加、残業代などの所定外給与は4.4%増の1万7441円で6ヵ月連続の増加、賞与など特別に支払われた給与は▲2.3%の6743円で2ヵ月ぶりの減少となった。

この結果、所定内給与と所定外給与を合計したきまって支給する給与は、前年同月比0.3%増の26万3276円で7ヵ月連続の増加となった。現金給与総額を就業形態別にみると、一般労働者は0.8%増の34万8845円、パートタイム労働者は▲1.8%の9万6261円。なお、物価の変動分を計算に入れた実質賃金指数(現金給与総額)は、消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)が0.9%上昇し、▲0.6%と3ヵ月ぶりに減少した。

また、9月の一人平均総実労働時間は、前年同月比▲0.5%の135.2時間で2ヵ月ぶりの減少。内訳は、所定内労働時間が▲0.8%の125.8時間で2ヵ月ぶりの減少、所定外労働時間は3.4%増の9.4時間で6ヵ月連続の増加。景気との連動性が高い製造業の所定外労働時間(季節調整済指数、前月比)は▲6.5%で2ヵ月連続の減少。就業形態別にみると、一般労働者は0.3%増の161.2時間、パートタイム労働者は▲3.4%の77.7時間となった。

一方、9月の常用労働者数は、前年同月比1.1%増の5192万7千人となり、187ヵ月連続の増加。就業形態別にみると、正社員などの一般労働者は0.8%増の3571万人で104ヵ月連続の増加、パートタイム労働者は1.7%増の1621万7千人で6ヵ月連続の増加。主な産業についてみると、「製造業」は▲1.3%、「卸売業、小売業」は1.2%増、「医療、福祉」は2.5%増となった。なお、勤労統計の速報値は、確報で改訂される場合がある。

同調査においては、本来「500人以上規模の事業所」については全数調査すべきところ、一部抽出調査を行い、かつ抽出調査を行う場合に行う必要がある統計的処理(復元)を2004年から2017年までの間行っていなかった。2018年11月分確報から、掲載する数値を、従来公表してきた値から、2012年以降において東京都の「500人以上規模の事業所」についても復元して再集計した値(再集計値)に変更したので注意が必要だ。

9月分結果速報の概況は↓
厚生労働省:毎月勤労統計調査 令和3年9月分結果速報等

(タックスコム提供)