帝国データバンクが発表した「気象・波浪及び地震動の予報業務許可事業者36社の経営実態調査」結果によると、2016年度から2020年度決算の収入高が判明した気象・波浪の予報業務許可事業者22社の収入高合計は、2018年度以降、3期連続で前年度比増加と右肩上がりで推移、2020年度の収入高合計は366億2900万円となった。年々災害が深刻化するなか、気象に関する注目度は高まりつつあり、官民からの受注増加が背景にあるとみられる。

22社の2018年度から2020年度の収入高動向をみると、2020年度は「増収」企業5社(構成比 22.7%)となった一方、「減収」企業は11社(同50.0%)と全体の5割を占めた。2019 年度は、台風第15号、19号などによる大型の災害などもみられ、「増収」の構成比が45.5%と上昇したものの、2020年度は、前年度からの反動に加え、新型コロナウイルスの影響などもあり「減収」の構成比が上昇しており、収入が落ち込んだ企業が半数となった。

22社を収入高(2020年度)の規模別にみると、「1億円未満」が10社(構成比45.5%)で最多となった。次いで「1億~10億円未満」が9社(同 40.9%)で、10億円未満が全体の 86.4%となるなど、中小規模事業者が大半を占める結果となった。一方、「10億~50億円未満」は1社(同4.5%)にとどまり、「100億~500億円未満」は2社(同9.1%)となるなど、収入高10億円以上の企業は構成比で13.6%にすぎない。

また、22社のうち、収入高の増減について収入高規模別(2020年度)にみたところ、「100 億~500億円未満」(2社)の企業には減収がなく、2社とも増収となり、「10億~50億円未満」(1社)も増収となるなど総じて堅調な業績を示した。一方、「1億円未満」の小規模事業者(10社)は増収企業がゼロで、「横ばい」、「減収」が5社(構成比50.0%)となっているなど、大手事業者と中小規模事業者の二極化が鮮明となっている。

22社を業歴別にみると、「10~30年未満」が14社(構成比63.6%)と最も多く、次いで「30~50年未満」が6社(同27.3%)、「50~100年未満」が2社(同9.1%)と続いた。気象業務法は1993年5月に改正され、95年5月から施行されたが、法改正を契機としてその前後で相次いで設立されたことが分かる。一方、「10年未満」はゼロとなるなど、近年、新規参入企業がみられないことが判明した。

同調査結果は↓
帝国データバンク:特別企画:気象・波浪および地震動の予報業務許可事業者 36社の経営実態調査

(タックスコム提供)