日本政策金融公庫が飲食業や理・美容業など生活衛生関係営業を対象に8月下旬~9月上旬に実施した「新型コロナウイルス感染症に関するアンケート調査」結果(有効回答数3290社)によると、新型コロナウイルス感染症による事業への影響について、「マイナスの影響があった」と回答した企業の割合は、2021年4~6月期の前回調査(87.6%)から0.3ポイント減少したものの、依然として全体の9割近く(87.3%)にのぼっている。

事業へのマイナスの影響(複数回答)については、「売上の減少」との回答が97.0%と最も多く、次いで「営業時間の短縮・変更」(52.8%)、「休業」(34.2%)となった。2021年7~9月の売上の減少幅(2019年同期比)ついて、「50%以上減少」と回答した企業の割合は、2期連続で減少したものの(前々回26.2%、前回25.4%)、依然として高い割合(24.2%)となっている。

業種別にみると、「50%以上減少」と回答した企業の割合は、「ホテル・旅館業」(前期61.2%→今期48.5%)、「映画館」(同38.3%→27.9%)において10ポイント以上改善した一方、「氷雪販売業」(同60.8%→67.9%)においては7.1ポイント悪化。「ホテル・旅館業」では回復の兆しがあるものの約5割、「飲食業」では3割超(35.2%)の企業が「売上50%以上減」と回答しており、第5波の影響がうかがえる結果となった。

資金繰りについては、「運転資金が不足した」と回答した企業の割合は、前回調査(65.6%)から11.1ポイント減少し、全体の約5割(54.5%)となった。運転資金が不足したと回答した企業は、「不足したため外部からの借入のみで補った」(15.4%)、「不足したため外部からの借入と自己資金で補った」(8.6%)、「不足したため自己資金のみで補った」(30.5%)と回答した企業の合計となっている。

「運転資金が不足した」と回答した企業の補てん金額(調達金額の総額)は、「100っ万円以下」が53.3%、「100万円超300万円以下」が23.1%となっており、300万円以下と回答した企業の割合が76.4%と、全体の7割超にのぼった。運転資金の調達先(自己資金は除く、複数回答)は、「日本政策金融公庫」が51.0%で最も多く、次いで、「銀行」(37.7%)、「信用金庫」(28.8%)、「信用組合」(4.3%)などが続いた。

同調査結果は↓
日本政策金融公庫:生活衛生関係営業の新型コロナウイルス感染症に関するアンケート調査結果

(タックスコム提供)