日本能率協会が発表した「ペーパーレス化の取り組み・実施状況についてのビジネスパーソン1000人調査」結果によると、自社で電子化されている点について、「勤怠管理」は、「完全に電子化された」(51.8%)と「一部電子化された」(21.2%)を合わせると、全体の7割を超えた。2019年4月から義務化された「従業員の労働時間の把握」に伴い、他の業務より電子化が進んでいるといえる。
一方、「契約書」が「完全に電子化」は15.0%で、約5割(49.9%)は「電子化されていない」。「印鑑」、「FAX」の「完全に電子化」は各10.5%、14.8%と1割。「一部電子化」と合わせても4割程度。6割は、まだ「電子化されていない」と回答。コロナ禍で、この1年、テレワーク等、オフィスにとらわれない新しい働き方が増えたが、「契約書」、「印鑑」、「FAX」については、5割以上が、従来からの紙での運用を行っているとみられる。
この1年での職場におけるペーパーレス化の進展具合は、「(とても+やや)進んでいる」と回答した企業は、全体の43.9%と4割強。一方、「(あまり+全く)進んでいない」と回答した企業は、56.1%と半数以上を占めた。また、職場におけるペーパーレス化が進むと、45.4%が「業務の生産性が向上する」と回答。その一方で、生産性が「落ちる」との回答は全体の10.1%と1割程度にとどまった。
職場におけるペーパーレス化に「何らかのメリットを感じている」との回答は、全体の8割超(82.5%)を占めた。具体的なメリット(複数回答)については、「コスト削減」が74.1%と2位以下を大きく引き離してトップ。次いで、「省スペース化」(46.1%)、「業務効率化」(45.9%)と続いた。一方、職場におけるペーパーレス化についての不安の有無は、全体の 64.3%が何らかの「不安がある」と回答している。
また、全体の61.5%が「職場におけるペーパーレス化に向け何らかの推進を期待」している。「特にない」との回答は全体の38.5%を占めたが、ペーパーレス化に向け推進してほしいことの内訳(複数回答)は、最も多かったのは「脱印鑑」で、38.4%を占めた。2位以下は、「決済の電子化」(23.1%)、「脱FAX」(22.3%)、「契約書の電子化」(22.1%)、「手順書・マニュアルの電子化」(22.0%)で、20%台の拮抗した数字が続いた。
同調査結果は↓
日本能率協会:2021ビジネスパーソン調査_ペーパーレス化実施状況
(タックスコム提供)