RPAという言葉を耳にする機会も増えました。
「ロボティック・プロセス・オートメーション」の略語で、簡単に言うと「人の代わりに単純作業をこなしてくれるツール」のことですね。
決まった手順のルーティンワークが多い税理士業界では、効率化を進める武器として大きな期待がされています。
ですが「どんなものなのかわからない」という心理的な障壁や、「税理士業では具体的に何をRPA化して、どれくらい効率化できるのかわからない」といった運用面の疑問などがありますね。
今回は、RPAを積極的に活用されているサン共同税理士法人様の記事をご紹介したいと思います。
まずは「どれくらいの効果があるのか」からご紹介します。

記事を一部抜粋して要約

弊事務所ではRPAツールとして『EzRobot』を利用していますが、月間480時間を代替できています。スタッフの時給を2千円とすると1ヶ月の人件費は96万円になります。それを月3万円のRPAで代替できるので、計算上の時給は62円になっています。

いきなり衝撃的ですね(笑)
「時給62円」の労働力!
では具体的にどんな作業をRPAが行っているのでしょうか。

記事を一部抜粋して要約

弊事務所が最初に着手した「ロボ化」は、新規のお客様情報の登録作業でした。 初めに、お客様のマスター情報を入力したExcelを作成します。この部分は、手入力をしています。
そして入力された情報をロボットが、会計ソフトを始めとする各種のシステムに登録していきます。 新設法人では会社設立時に10以上の行政手続きが必要になりますが、それらの準備・申請もロボットが行っています。
税務申告では、申告書のレビューは税理士が行いますが、その後にRPAを実行することでロボットが電子申告を行う流れになっています。

新規顧客情報の登録、届出書作成、電子申告。
たしかに、こういった作業はルーチンワークであり、かつ時間もかかる作業です。
他にも事務所ごとに「何かを見て、何かを入力する単純作業」は結構あるのではないでしょうか。
何をRPA化し、何を他のツールで行うかの判断基準についても記事がありました。

記事を一部抜粋して要約

ロボットが得意な分野のものでも、既存のソフトやシステムの機能でできる作業もあります。例えばロボットは預金の取引情報を取り込むことは得意ですが、それよりもクラウド会計ソフトで行った方がよいと思います。
ほかに、ロボ化をせずに人間が行うべき仕事があります。その代表は申告書のチェック作業です。これら以外に残った業務を、弊社では順番にロボ化しています。 パートスタッフが行っていた業務など、難易度の低い業務から取り組んでいくと良いと思います。

なるほど、いままでパートさんが行っていた作業の中にRPA化に適した仕事がありそうですね。
もうひとつ、私が個人的に興味を惹かれた記事がありました。

記事を一部抜粋して要約

RPA導入のメリットには、事務所のブランディングがあります。弊事務所では、採用サイトに事務作業をロボットが行っていることを前面に打ち出しています。これにより、入社後にやりがいがあって、付加価値の高い仕事に取り組めることを説明し ています。
またお客様に対しても、ロボッ トが業務を行っているため、高品質で安価サービスを提供できると説明できます。スタッフの離職対策にも有効で、いったんRPAを使った仕事環境に慣れたスタッフは、二度とアナログな環境で仕事をしようとは思わないと思います。

求人、集客、離職対策。
RPAの活用は、効率化で役立つだけでなく、ブランディングでも役立つようですね。
今後、働き方改革の面や、恒常的な人手不足の面からもRPAの導入はどんどん進むと思います。
そしてドンドン新しいRPAもリリースされていくと思います。
どういうツールがあって、どういう使い方をする事例があって、どれくらいの費用と効果が出ているのか。
こういった情報は、これからも継続的に探していって、共有させていただきます。

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出典:FIVE STAR MAGAZINE  第51号 『これから士業はRPAとテクテクテク』