日本を含む136カ国・地域による最終合意
新たなルールは2つある。まずは多国籍企業が稼いだ利益の一部について、そのサービスの利用者がいる国・地域で課税できるようにした。これまでは工場などの拠点がなければ課税できない仕組みだったが、これを改めて、市場国に課税自主権を認める。
もう1つは、国際的に事業展開する企業に対し、世界共通で15%の最低税率を設けることだ。合意には低税率国のアイルランドやハンガリーも参加した。一部のアフリカ諸国は見送ったが、引き続き参加を促し、法人課税の国際的な枠組みを強化したい。
法人税率を低くすることで海外企業の誘致を進めてきた新興国もある。そこに配慮し、従業員などへの支払い給与などは一部を課税対象から控除することも認めた。タックスヘイブン(租税回避地)を含め、抜け道ができないようにする国際的な監視も必要だ。
合意にはグーグルやアップルなど「GAFA」と呼ばれる巨大IT企業を抱える米国も参加した。これによって巨大IT企業に独自課税する動きを見せていた欧州の一部も課税を見送るため、国際紛争の回避にもつながる。
国際法人課税 税逃れ封じる意義大きい
2021/10/18