世間では、コロナ対策から始まった新しい働き方の形として、リモートワークを「是」とする意見が多数を占めています。
弊社でも一部導入をしているものの、実際にはコミュニケーションが取りにくいことや、検算などの作業を進めにくいことから、積極的には推奨していません。
実際、士業の在宅ワークはアリなのかナシなのか?
この疑問に、税理士法人Bricks&UKさんが、自社のデータ公開をして教えてくださいました。
まず最初に、税理士法人Bricks&UKさんが「リモートワーク導入の4つの論点」をまとめてくださってます。
(記事を一部抜粋して要約)
1つ目は「生産性」を維持できるかどうか。
2つ目は「コンプライアンス」を遵守できるかどうか。
3つ目は、「モラルハザード」が起こらないか。これは、事務所の目の届かないところで、スタッフが自己や規律を律して働くことができるのかという問題です。
そして4つ目が人材育成。
まさに、この4つですね!
改めて言語化していただけると、ボンヤリ持っていた「リモートワークのデメリット」が明確化しました。
この4つの論点を税理士法人Bricks&UKさんがどのようにクリアされたのか?もしくは、課題が立ち塞がったのか。大変興味深く読ませていただきました。
(記事を一部抜粋して要約)
生産性の問題は、弊事務所には独自開発のクラウド型生産管理ソフト『BPS(Bricks&UKプロダクションシステム)』がありますので、クリアできるのではないかと考えました。
コンプライアンスの問題は、事前にリモートワークを行う全員にそのリスクを説明し理解してもらった上で、誓約書をいただきました。
モラルハザードの問題は、実際に仕事に使った時間ではなく、それぞれの仕事にかかる標準時間(後述)の総計で、時給計算させていただくことをお願いしました。
税理士法人Bricks&UKさんの独自の生産管理システムと、誓約書で2つの論点はクリアされたのですね。
そして実際にかかった時間ではなく、あらかじめ定めた標準時間で時給計算を行われたとのこと。
これは素晴らしいアイデアですね。たしかにモラルハザードが起きる余地がありません。
ポイントとなったのは4つ目の教育の論点です。
(記事を一部抜粋して要約)
リモートワーク中の計測結果では、5名すべてのスタッフの生産性が上がらなかったことが分かりました。
特に教育期間中である3名は、弊事務所のこれまでの実績でいけば、伸びてしかるべきタイミングですが、減少しています。
これによってリモートワーク環境で教育機能が果たせていない状況が明確になっています。
おそらく経験のあるスタッフが隣にいて、分からないことをすぐに聞ける環境かどうかの差だと思います。
やはり、教育面、特に新人教育については、リモートワークで難しさがあるようですね。
これはどこの事務所でもあり得る、大事なことだと思います。
これから先、士業の世界で、リモートワークがさらに増えるのか。
増えるとすれば、教育面はどうクリアしていくべきなのか。
様々なことを考えさせられた記事でした。
出典:FIVE STAR MAGAZINE 第57号 『数値測定で明確に分かった!『在宅ワークは、○○が落ちている!?』