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最終更新日:2022/6/17

名義預金は相続財産?名義預金と判断されるケースは?

古尾谷 裕昭

この記事の執筆者 税理士 古尾谷裕昭

ベンチャーサポート相続税理士法人 代表税理士
東京税理士会 登録番号104851

東京、横浜、千葉、大宮、名古屋、大阪、神戸など全国の主要都市22拠点にオフィス展開し、年間2,200件を超える日本最大級の相続税申告実績を誇る。 業界最安水準となる明朗料金ときめ細かいフォローで相続人の負担を最小にすることを心がけたサービスが評判を得る。1975年生まれ、東京都浅草出身。

PROFILE:https://vs-group.jp/sozokuzei/supportcenter/profilefuruoya/
書籍:今さら聞けない 相続・贈与の超基本
Twitter:@tax_innovation
YouTube:相続専門税理士チャンネル【ベンチャーサポート相続税理士法人】

【徹底解説】名義預金は相続財産?名義預金と判断されるケースは?

この記事でわかること

  • 名義預金の考え方がわかる
  • 名義預金の遺産分割や相続税の扱いがわかる
  • 税務署に名義預金と判断されるケースがわかる
  • 名義預金と判断されないための対策がわかる
  • 名義預金を解消・リセットする方法がわかる

相続税は「正しく計算・正しく申告」といきたいところですが、国税庁が公表する税務調査結果によると、2020年度分の非違割合は87.6%になっています。

税務調査が行なわれると、ほぼ9割近い確率で申告ミスや申告漏れが発覚するということですね。

一方、相続財産の内訳をみると、現金や預貯金の比率が年々増加しており、2020年度分の調査結果では全体の約34%です。

10年前(2011年)より約10%アップしていますが、単純に考えると預貯金などの申告ミスも増えていると想定されます。

特に税務調査では「名義預金」が指摘されやすいようですが、名義預金とはどのような財産を指すのでしょうか?

今回は名義預金に判断されるケースや、税務調査で指摘されない対策などをわかりやすく解説します。

参考:
令和2年度統計年報(国税庁)
令和2年度の相続税の調査状況(国税庁)

名義預金とは?

名義預金を簡単に解説すると、「名義はAさん、お金の出元はBさん」という預貯金です。

将来は本人に渡すつもりで子どもや孫名義の預金口座を開設し、親や祖父母が入金している例はよくありますが、状況によっては名義預金に判定されます。

たとえば通帳や印鑑が親や祖父母の手元にあり、名義人(子どもや孫)が自由に引き出しや解約ができないようであれば、事実上は親や祖父母のお金といえるでしょう。

このような預金を税務署は名義預金とみなす場合があり、事実上の預金者である親や祖父母が亡くなったときは、相続財産として判断される可能性があります。

では実際に名義預金があったとき、遺産分割や相続税がどうなるか詳しくみていきましょう。

名義預金の遺産分割や相続税はどうなる?

名義預金があると、「名義人は生きているが事実上の預金者が亡くなった」という状況が発生するため、遺産分割の考え方が複雑になります。

本来、預金口座の遺産分割は名義人が亡くなったときに行うものですが、名義預金の場合は次のような考え方になります。

名義預金も遺産分割の対象になる

事実上の預金者が亡くなれば、名義預金も遺産分割の対象になります。

親が子どもの名義預金を開設している場合、子どもが相続すれば特に相続手続きは必要ありません。

一方、孫の名義預金を持つ祖父(または祖母)が亡くなった場合、子ども(孫の親)が相続すると以下のような状況になります。

  • 預金は祖父の相続財産
  • 相続人は祖父の子ども
  • 口座名義は孫

相続人の子どもが相続手続きする場合、金融機関は祖父のお金かどうかを確認することになるため、手続き完了までに数ヶ月かかる可能性があります。

名義預金にも相続税がかかる

相続税は被相続人(亡くなった方)の財産に課税されるので、当然ながら名義預金にも相続税がかかります

相続税の申告期限は「相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内」なので、必ず期限内に申告しておきましょう。

ただし、名義預金だと知らずに申告から漏れてしまい、税務署から申告ミスを指摘されたときは、次のようなペナルティがあることに注意してください。

名義預金には相続税以外の税金もかかる

名義預金の申告漏れが税務調査で指摘されると、以下の税金が相続税に加算されます。

  • 延滞税
  • 過少申告加算税
  • 重加算税

延滞税は申告期限の翌日から発生しますが、期限後2ヶ月以内に納付した場合、税額は相続税の2.4%(令和4年の場合)になります。

故意ではない申告漏れがあるときは相続税の追加納付も必要となり、追加納付額の10%が過少申告加算税として課税されます。

ただし、追加納付額が期限内申告の税額を超える場合や、50万円を超えている場合、超過部分には15%の過少申告加算税がかかることになります。

なお、故意に申告しなかったときは、追加納付する税額の35%(意図的な無申告は40%)が重加算税として課税されます。

税務署に名義預金と判断されるケース

名義預金は「意図したわけではないのに名義預金になっていた」という例が多いようです。

次のようなケースは税務署が名義預金と判断する可能性が高いので、相続税申告するときには注意が必要です。

被相続人が事実上の預金者だったとき

事実上の預金者が被相続人だったときは、税務署は被相続人の名義預金だと判断します。

ただし、親と子ども、祖父母と孫の関係だけではなく、夫と専業主婦の関係でも名義預金とみなされる事態になりやすいので注意が必要です。

夫が専業主婦の妻に、家計費として給料の一部を渡すケースはよくありますが、妻が自分名義の口座に入金していた場合は夫の名義預金とみなされます。

税務署は「収入がない専業主婦の口座にお金があるのは不自然」と考えているので、夫が亡くなったときには、夫の相続財産にカウントされる可能性が高いでしょう。

被相続人が通帳や印鑑を管理していたとき

将来は本人に渡すつもりで子どもや孫名義の預金口座を開設し、親や祖父母が定期的に入金しているケースもよくあります。

しかし通帳やキャッシュカード、印鑑(届出印)を親や祖父母が管理しており、名義人本人が自由に使えない状況であれば、税務署は親や祖父母の名義預金と判断します。

また、税務署は口座開設時の届出印もチェックするので、孫名義の預金口座にも関わらず、届出印が祖父母のものであれば、名義預金に判定される可能性があります。

生前贈与とみなされなかったとき

生前贈与として子どもや孫名義の口座に入金(または振込み)しても、贈与の証跡がなければ名義預金に判定される可能性があります。

税務署は口座間のお金の流れも把握しているため、親や祖父母の口座から、子どもや孫の口座に資金が移動していれば、生前贈与かどうかを疑ってきます。

生前贈与とみなされなかったときは名義預金に判定されるので、贈与契約書は必ず作成しておきましょう。

なお、贈与税には年間110万円までの基礎控除があり、基礎控除を超えた部分に課税されます。

110万円以上の贈与があったときは、申告・納税の証跡を残すことで生前贈与だったと証明できます。

名義人が預金口座の存在を知らないとき

子どもや孫が志望校に合格したときのお祝い、または将来の結婚資金など、本人へのサプライズとして内緒で預金している場合も名義預金に判定されます。

子どもや孫を喜ばせようとした結果が裏目に出るので、名義預金には十分に注意しなければなりません。

名義預金と判断されないための対策

相続税の申告漏れに繋がりやすい名義預金ですが、次のように対策すれば名義預金とは判断されません。

特に「これから子どもや孫名義の口座をつくる予定」という方はぜひ参考にしてください。

名義人が口座管理できるようにしておく

子どもや孫の名義で預金口座を開設したときは、通帳や印鑑、キャッシュカードは本人が管理できるようにしておきましょう

届出印も親や祖父母のものではなく、本人の印鑑を使うようにすることをおすすめします。

なお、親や祖父母が子どもや孫名義の口座を開設する場合、戸籍謄本や住民票が必要になるので、あらかじめ金融機関に問い合わせおくとよいでしょう。

贈与契約書を作成しておく

銀行振込みの生前贈与は名義預金とみなされる可能性があるため、対策として贈与契約書を作成しておきましょう。

贈与契約書に決まった様式はありませんが、以下の項目は必ず記載してください。

贈与契約書の記載事項

  • 表題(贈与契約書)
  • 贈与者と受贈者(あげる人ともらう人)
  • 贈与額
  • 贈与日
  • 贈与方法(銀行振込など)
  • 贈与契約の締結日
  • 贈与者と受贈者の署名捺印(本人自筆と実印)

贈与契約書が作成できたら、実印で捺印したことを証明できるよう、印鑑証明書も添付しておきましょう。

「親族間でここまでしなくても」と考える方もいますが、名義預金に判断されたときのペナルティは子どもや孫に科せられるので、贈与の都度作成した方が無難です。

銀行振込でお金を渡す

前述したように、子どもや孫へ生前贈与するときは、お金が被相続人から名義人に渡ったという証跡が必要です。

そのためには、銀行振込で贈与の記録が残るようにしてください。

贈与日や贈与額、振込元や振込先が贈与契約書と一致すれば、名義預金ではなく生前贈与したものだと税務署も判断します。

贈与税申告をしておく

贈与税申告を済ませておけば、税務署側で生前贈与を証明してくれることになります

年間110万円までの贈与は非課税になるため、「110万円以上の贈与は子どもや孫の負担になる」とも考えられますが、将来発生する相続税は低くなる可能性があります

ただし、申告を忘れると意味がありませんので、贈与があった年の翌年2月1日~3月15日の間に申告・納税することが必要です。

名義預金を解消・リセットする方法

名義預金のリスクについて解説したところですが、問題になるのは相続税申告から漏れてしまったときです。

名義預金を漏らさずに申告するときや、名義預金を解消したいときは、次の方法を参考にしてください。

相続税申告書に名義預金を記載する

相続税申告書の第11表「相続税がかかる財産の明細書」には、名義預金を記載できるようになっています。

「利用区分、銘柄等」の欄に預金種別(普通預金など)を記載し、その下に「○○名義」と記載するだけなので簡単です。

しかし記載項目は他にも多数あるので、相続税申告書全体を仕上げる作業はかなり大変です。

毎年確定申告している人でも間違える可能性があるため、作成に自信のない方は税理士に依頼した方がよいでしょう。

相続税申告書には作成税理士の署名・押印欄があるので、税務署も税理士が関与した確かな申告書だと判断します。

親や祖父母に返金する

名義預金を解消したいときは、銀行振込で親や祖父母に返金してください。

現金で返金するとお金の流れがわかりにくくなるため、記録が残る銀行振込が確実でしょう。

ただし、名義預金となった口座からお金が移動すると、親や祖父母への贈与だと疑われてしまう可能性もあります。

税務署に指摘されたときは、「自分の財産ではないので親(または祖父母)に返した」と伝えましょう。

預金口座を本来あるべき状態にリセットできれば、相続税申告を気にする必要もなくなります。

ただし、契約に基づく返金ではないため、書面で残せる証拠がありません

「本当に名義預金の解消か?」と疑われないよう、税理士に相談してから実行した方がよいでしょう

まとめ

相続税は計算を間違えやすい税金の代表格であり、過少申告や申告漏れが発生しやすくなっています。

特に名義預金は「うっかり」や「知らなかった」というケースが多いため、税務署にも注目されやすい相続財産です。

また、名義預金は意図的な税逃れに使われる例もあるので、かなり厳しくチェックされています。

税務署は名義人の同意がなくても口座情報を調査できるので、もし税務調査の通知(相続のお尋ね)が届いたら、高確率で申告ミスが指摘されるでしょう。

名義預金対策や相続税申告に不安がある方は、できるだけ早めに税理士へ相談してください。

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