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最終更新日:2022/3/15

相続登記の義務化とは?費用などについても併せて解説

本間 剛 (行政書士)

この記事の執筆者 行政書士 本間剛

ベンチャーサポート行政書士法人 代表行政書士。山形県出身。

はじめて相続を経験する方にとって、相続手続きはとても難しく煩雑です。多くの書類を作成し、色々な役所や金融機関などを回らなければなりません。専門家としてご家族皆様の負担と不安をなくし、幸せで安心した相続になるお手伝いを致します。

PROFILE:https://vs-group.jp/sozokuzei/supportcenter/profilehonma/

この記事でわかること

  • 相続登記の義務化の必要性がわかる
  • 相続登記をしなかったら、罰則規定があるとわかる
  • 義務化のメリット・デメリットがわかる

「相続登記の義務化」が最近、話題になってきています。

相続物件は通常、相続されたら名義変更で相続登記されます。

ところが実態は、相続登記されていない物件は数多くなり、社会に対してあらゆる問題を提起することになりました。

廃墟をいつまでも放置する問題は、相続人の問題です。

しかし相続人が存在するかどうかもわからない物件が数多くあります。

相続手続きは、被相続人が死亡し相続が開始され、相続人たちが集まり遺産分割協議を経て、納税額を決定し相続税申告に向かっていきます。

結果として、相続登記せず故人の名義のままで相続しているケースは、以前から問題として指摘されていました。

では、相続税の義務化とはなにか?諸費用はどれくらい必要かなど解説いたします。

相続登記の義務化とは

相続登記の義務化は、現在法制審議会の中間報告段階で、今秋の臨時国会で決まる見通しです。

遺産相続した相続人たちにとって重要事には間違いありません。

相続登記(名義変更)をしていない物件の場合、固定資産税の請求はいつまでも故人名義で送達されることになり、すでに死亡者に請求すること自体が法認識には合いません。

同時に、商取引について売買契約を結ぼうとしても、被相続人はすでに死亡しているため、当然のことながら故人と売買契約など締結できません。

そこで、きっちり相続登記をしてもらうことで、所有者を明らかにしておかなければ経済取引にも支障をきたし兼ねないため、義務化しようとするものです。

相続登記の義務化は、不動産関連事業者にとって、土地・建物の有効活用を含めながら経済効率、経済活性化が期待される状況になります。

今後、経済社会の一員として建設・不動産業界は、当然として、相続登記の義務化を待ち望んでいると考えられますから、あらゆる利害が交錯する可能性はあるでしょう

相続登記が未登記物件のままだと、経済ビジネス活動はまったくできませんから、民間事業者としては手も足も出せない状況が続くだけになります。

相続登記の義務化における経済効果は、絶好の機会と考えられています。

このように、「相続登記の義務化」は相続人個人の責任の在り方と、建設・不動産産業社会の経済効果が絡み合った法整備になっています。

登記義務化に向かった経緯

社会問題として、被相続人名義の不動産物件が全国に多く散在されているとされ、ニュースなどでも取り上げられているので、よく知っている方も多いでしょう。

相続登記されていない物件で、空き家・空地状態が長く続くと、あらゆる面で問題が発生します。

例えば、老朽化し誰も住んでいないため、余計に危険性をはらんでいるという点です。

地方行政が乗り出して「危険物件」として指定せざるを得なかったり、まちづくりを推進させるためにある都市計画・区画整理事業の妨げになっているケースがほとんどです。

そのまま放置しておけば、地域住民の安全・安心が確保されず、住民の暮らしにも大きな影響を与えてしまいます。

さらに、相続登記をせず放置したままの物件は、実は第三者から見ると誰の所有物かわからないと同時に、多くの支障が出てきます。

いままででは、相続登記(名義変更)せずに所有していても、第三者に対抗できる保護措置がありましたが、空き家・空地問題が社会問題として取り上げられてきた結果、登記義務づけに動き始めました。

義務化されたとき想定できる問題点

相続義務化の法整備は、見直しを行っている状態ですが、従来型の民法などにおける法解釈が変わってくると考えられます。

第三者に対する対抗要件は、登記名義人ではなく実質所有者に基づく判例は有名ですが、この度の義務化で解釈が変わる可能性が出てきました。

義務化するとなれば、当然、義務違反が発生すると予定されます。

相続登記しない実質的所有者は、善意の第三者に対抗できないのではないか。

そもそも、所有権者はすでに死亡しているため、売買契約などの法律行為はできません。

そして、あらゆる疑問が湧いてきます。

  • 相続登記をしていない実質的所有者は、本当に相続人なのだろうか。
  • ・実質的所有者が、物件を他人に賃貸していた場合、どうなるのか。
  • ・賃貸人は実質的所有者であり、賃借人と賃貸契約を結んでいるが、さらに賃借人が、別の人に貸す転貸借をしていたらどうなるのか。
  • ・不動産物件の登記変更を義務付けられたら、賃借人または転借人に影響はでてこないだろうか。
  • ・賃貸借の家主(本人)が死亡し、相続が発生したとき、相続登記義務の期限はいつまでか、相続税申告期限までだろうか。
  • ・賃貸借契約および家賃入金口座変更を賃借人に告知する必要に期限設定があるのか。
  • ・相続に絡み預金口座凍結させられたら、家賃収入が入金できないのではないか、凍結口座は出金できないが家賃入金できるのだろうか。

様々な問題が考えられますが、まだ中間報告段階情報ですから、一切、インターネット情報でも出てきません。

義務化されると、相続物件に関係する権利関係に影響が出てこないかどうか、検討する必要はありますから、注視していかなければなりません。

義務化するメリット

義務化するメリットとして、所有者を明らかにできることから、固定資産税などの税の請求宛が明確になります。

同時に所有者が、間違いなく相続人であることも判明します。

さらに、所有者は現在生存している人物ですから、当該不動産についての経済取引ができる対象となり得る事実があります。

例えば、借り入れなどのとき、金融機関に担保設定が可能となり、売買取引がしたければ契約当事者として明らかですので、商取引の責任と信用性が約束されます。

不動産名義人と実質所有者を一致させることにより、土地・建物による有効活用がやりやすくなり、不動産に関する経済活動として、契約書関係においてスムースに事を運ばせ進めることができます。

また、今度の法制審議会の中間報告では、義務化されたとき、相続登記を行った相続人に対し、減免措置などの案も出ているようです。

義務化するデメリット

デメリットとしては、相続登記の義務化がまだ法的に決定されていないことです。

まだ見通し段階であり、概略はインターネットなどで公表されてはいるものの、詳細まではまだ詰まっていない様子が伺えます。

義務化され施行されるのはいつ時点からか、はっきりしない限り、相続登記する相続人たちはすぐに動きが取れない可能性があります。

また、義務化しても直ちに手続きに入る登記人ばかりとは限らないと考えられます。

この度の見直し試案には、不動産登記法、民法など関連する法律が見直されている内容になっています。

メリット・デメリットを含みながら、義務化に進んでいる進捗状況だと思ってください。

相続登記にかかる費用


相続登記には、相当の費用が必要となります。

相続物件の面積などにより、費用が変わってきますから、一般的に最大でも35万円くらいを見積もっておいたほうが安心と考えられます。

不動産の価値は、面積に比例するとおり、諸費用も変動してきますから、資産家など相続不動産物件が多いほど、諸費用は増加します。

下記で、費用の詳細を解説します。

相続不動産の調査費用

不動産の相続において、すべての財産を確認する必要があるのは、相続税申告があるからです。

すでに相続しても名義変更をしていなかったら、改めて当該物件の証明書を取り寄せる必要があります。

法務局における「登記事項証明書」や、自治体の固定資産税課に行って取得する「固定資産評価証明書」が必要になります。

一般居宅を例にすると、1つの物件で3,000円ほどは見積もっておきましょう。

登記申請の必要書類費用

相続税申告がすでに終えた段階における相続登記の場合、改めて相続人の氏名と人数を証明する書類が必要となります。

結果として、相続税申告時と同じ書類を集めることになります。

戸籍謄本や住民票など、各相続人に頼んでもらわなくてはならなくなり、相当の時間を要する場合も考えられ、二度手間にもなります。

かかる費用は、一般的に3万円くらいといわれています。

登録免許税の費用

不動産登記を申請するとき、登録免許税を支払わなければなりません。

相続物件の固定資産評価額に応じて、税の価額が変わってきます。

税率は0.4%ですから、評価額に税率を乗じた金額が登録免許税になります。

費用としては20万円くらい予定すればいいでしょう。

もちろん、誰も住めない老朽化した減価償却済みの建物などは、固定資産評価額は無価値同然ですから、建物としての税はほとんどかからなくなります。

逆に取り潰し費用だけが必要になる物件が多いです。

相続登記しても、結局、解体費用まで負担するとなれば、相続人は積極的に登記したくない心理が働くと考えられますが、義務化されたら従わざるを得ません。

司法書士の費用

司法書士に依頼する報酬として、10万円ほどを見積もっておきます。

書類集めや書類作成を依頼することになりますから、依頼したら委任状に押印するように頼まれます。

司法書士は委任状を持って、各関係書類を集めに行きます。

行政書士・弁護士もできないわけではありませんが、妥当な費用支出として報酬面を考えると、司法書士がよりよい選択肢といえます。

相続登記をしなかった場合の罰則

2020年の秋の臨時国会で、相続登記の義務化が予定されていますが、罰則規定が盛り込まれています。

義務化させる法整備は、違反者に対して罰則を科さなくては法的実効性が担保できないと考えられています。

「過料」という罰金を予定しているとされていますが、これは行政罰の一種です。

刑事訴訟法に基づいた行政刑罰とは違い、罰金の性格はありますが、秩序に違反した根拠を理由に科される罰金であり、少し緩い罰です。

まだ法制審議会レベルの審議であり、罰則金額は低く検討しているといわれていますが、詳細は決定されていません。

結局、義務化され違反したとしても、刑罰ほど厳しくありませんから、おカネを払ったらそれで終わりとなる可能性が高く、交通違反切符レベルです。

納付期限程度のものは設定されることはあるとしても、利息計算などはないでしょうから、いつ支払っても金額は決められた金額しか過料に反映されません。

まだ完全に決定された法案ではないため、今後どのようになるか、未知数といえます。

義務化前に早めに相続登記を


現在審議されているとしても、新型コロナウイルス対策が急務とされている中、義務化法案は後回しになると予測されますが、予定通りに行くと、2021年に施行、実施される見通しです

しかし、法律というものは、実施前と後によって適用が変わってきます。

時間軸で進むと、実施時点から義務化されることになりますが、法律の効力が施行前にさかのぼって生じることがない場合に限ります。

そこで、新法適用がいつの時点から適用されるかが重要点になります。

罰則規定がありますから、法律の効力が施行前にさかのぼった場合、過料義務も過去にまでさかのぼるのです。

いずれにしても、相続登記をいつまでも放置すると後々、様々な支障が出てくるため、義務化前の相続登記を推奨します。

相続人は、相続した財産に責任がありますから、相続登記は必ずしなければならない手続きです。

義務化が実行されたとき、メリットとなる措置もあれば、デメリットとなる罰則規定という、両面を加味して審議可決されると予測されます。

法案の行く末を伺うだけでは時間が経過するだけですから、早めに専門家に相談してみることが事前における方策になります。

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まとめ

相続登記の義務化は、不動産事情を背景として取り組まれる法的見直し段階です。

今秋、国会通過予定という情報は多く流れています。

被相続人の死亡後、手続きが面倒など様々な理由で登記が放置され続けている物件は数多くあります。

ところが、相続登記が義務化されれば相続人は財産名義を故人から現在の相続人に変更しなければなりません。

義務化によるメリット・デメリットがあり、いきなり法案として可決しても、すぐに相続人たちが相続登記を行うなどとは考えにくい側面はあります。

また、相続人は登記にかかる費用で問題を抱えるケースもあります。

すでに相続税申告を行っている相続人は、義務化されるなら、相続分与などの段階でやっておけばよかったという後悔をするかもしれません。

いずれ必ず義務化されると考えられますから、ペナルティのことも考え、義務化の前に早めに済ませておきましょう。

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