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親から不動産を相続したけど、自分で使う予定がないので売りたいと思っている人は少なくないはずです。
ただし、どうやって自分の不動産を売ればいいのか、そもそも不動産の適正な価格はどうやって決まるのか。
このような悩みを持っている人も多いはずです。
そこで、不動産の売主の立場に立って、どのようにしたら自分の不動産を高く売ることができるか、詳しくご説明いたします。
一個人が、自分の所有する不動産を売りたい場合には、次の2つの方法が考えられます。
一つは、「仲介」という方法です。
これは、売りたい人と買いたい人の間に不動産会社が入り、不動産会社が買いたい人に対して、売りたい人の不動産を紹介することで、不動産会社と売りたい人との間で「仲介契約」を結ぶというものです。
もう一つは、「買い取り」という方法です。
これは、不動産を売りたい人が買い人を直接探す方法です。
売りたい人、買いたい人との間で販売価格が折り合えば、すぐに契約が成立することになります。
この方法では、「仲介」とは違って、売りたい人が不動産会社に仲介料などを支払う必要がなく、販売価格がそのまま売る人に入ってきます。
ただ、売る人には不動産売買のノウハウがほとんどありませんし、しかも買いたい人から提示された価格が妥当かどうか、判断できない事態になります。
したがって、売りたい人にとっては、なかなか契約を成立させることに迷うことになります。
このように考えると、やはり不動産売買のプロである不動産会社を仲介する方が良いと思います。
仲介・買取それぞれのメリットデメリットについては「不動産売却、仲介・買取どちらがいいの？」をご参照ください。
ところで、不動産を売買する際によく耳にする「査定」とは、どのような意味でしょうか。
査定とは、販売予定の不動産の価格を算定することです。
査定には、不動産に関わる情報から査定額を算定する「机上査定」と、実際に不動産会社の担当者が物件を訪問して査定額を算定する「訪問査定」があります。
「机上査定」では、築年数、住所、利便性などを勘案して、不動産のある程度の価格を算出することができます。
ですから、比較的早く査定価格を出すことができます。
一方で、「訪問査定」では、実際に物件を訪問することで、「机上査定」ではわからない事情を確認することで、より詳しく査定することになります。
ただ、「机上査定」と比べて、査定価格を出すには、ある程度の時間と手間が必要ですから、経費がかかることにもなります。
しかし、不動産そのものの状態や周りの状況などは千差万別ですから、やはり「訪問査定」の方が、より詳細で現実に即した価格を出すことができます。
不動産の価格を査定する際のポイントは、次の2点があります。
まず一つ目は、売りたい物件に居住する人が生活する上で、便利だと感じる要素が多くあるかどうか、という点です。
例えば、販売予定の物件が最寄りの駅から近い、その駅で利用できる路線が多い、物件かその周辺に駐車場が設置されている、近くにスーパーマーケット、コンビニ、薬局などがあり買い物などに便利である、そして近くに学校、病院、銀行、役所がある、などです。
つまり、日常生活を送る上で、販売予定の不動産にどれだけ多くの利便性があるかがポイントとなります。
二つ目は、不動産そのものの性質、状態です。
例えば、建物であれば、築年数10年以内である、角地である、周りに高い建物などがないため眺めがよく、日当たりがよい、などです、
つまり、多くの人が入手したいと思えるような要素が多い不動産であるかがポイントとなります。
不動産の価格をパソコンで調べるサイト、「一括査定サイト」がよく利用されています。
「一括査定サイト」とは、自宅や職場にあるパソコン、スマホなどを使ってサイトにアクセスし、自分が売りたい不動産、氏名、住所、連絡先などを入力し、不動産の価格を査定してもらうという方法です。
この方法の最大のメリットは、一つのサイトの入力で、数社の不動産会社の査定価格が提示されることです。
ですから、今までのように、不動産会社の一社一社に査定をお願いする必要がないので、時間や手間を省くことができます。
しかも、一括査定サイトはいくつもありますから、うまく活用すれば、自分の所有する不動産について、数十社の査定価格を知ることも可能です。
ただ、自分が査定をお願いしたいと思う不動産会社が、一括査定サイトに入っていない場合は、査定価格を別途、電話や訪問によってお願いするしかありません。
また、一括査定サイトには自分の氏名、住所、連絡先を登録することになりますから、営業のメールやダイレクトメール（はがきなど）、電話が来る可能性があります。
不動産を売る側とすれば、少しでも高い値段で買ってもらいたいと思うのは、当然の感情です。
そこで、査定額を上げるための方法をご紹介します。
一つの不動産会社だけに査定をしてもらっても、提示された査定価格が妥当な金額かどうかわかりません。
しかし、できるだけ多くの不動産会社に査定してもらうことで、自分が所有する不動産の価格の相場がわかります。
また、いくつかの査定価格の中から、自分の希望する価格を出した不動産会社と取引することができます。
なお、不動産会社に査定をお願いする際に、「他の会社にも査定をお願いしている」ということを伝えることで、きちんとした査定額を出してくれることが期待できます。
不動産会社から査定価格が出された場合、すぐに「価格はいくらか」に目が行きがちです。
しかし、出された価格は、どのような根拠で算定されたかを確認することが大切です。
もちろん、算定する不動産会社によって、それぞれ異なる算定基準で算定価格を出すはずです。
ですから、その基準、根拠を不動産会社に尋ねて、納得いくような基準、根拠が示されれば、信用度も増すはずです。
逆に、明確な根拠が示されない、あるいは、示されても納得できるような内容でない場合には、信用できない不動産会社ということになります。
不動産会社を仲介者として、不動産会社を売る場合に、買い手と交渉するのは、不動産会社です。
ただ、実際に交渉に当たるのは、不動産会社の中の販売部門の「営業担当者」です。
この営業担当者の力量によって、希望の価格で売買契約が成立するか否かが決まると言っても、過言ではありません。
したがって、まず自分の不動産を扱ってくれる営業担当者は誰になるのか、できれば会社を訪問して名刺をもらい、きちんと確認しておく必要があります。
また、その担当者に対して、希望の価格や販売期限などの要望をきちんと伝えることも重要です。
そして、定期的に営業担当者の方から、進捗状況を連絡してくれるようであれば、信用できる人努力や工夫によって、査定価格がかなり変わってくる
だと判断できます。
逆に、あまり進捗状況を連絡してこない、信用できないようであれば、不動産会社の責任者に連絡して担当を代えてもらうこともできます。
あるいは、不動産会社そのものに対して、自分の想定どおりに動いてくれないなど、不満が多くなれば、他の不動産会社に乗り換えることも考えていいかもしれません。
不動産会社のホームページや広告などに、今までの販売実績が掲示されている場合には、それを参考にして、この不動産会社はどのような不動産について得意にしているかを確認します。
また、営業担当者に対しては、今までの実績を直接確認していいかもしれません。
端的に言うと、自分の物件を売る場合、内覧の際に他人が買いたいと思うようにするということです。
家屋の場合、広いこと、明るいことが、「買いたい」と他人に思わせるポイントです。
例えば、部屋の中に家具や雑貨がところ狭しとあれば、狭い印象を受けます。
そこで、将来的には売りに出す物件なのですから、この機会に不必要な家具や雑貨を処分しましょう。
そうすることで、広く見えて査定価格が上がりますし、売買契約が成立して引っ越す際には、荷物が少なく身軽になりますから、一石二鳥です。
明るく見せる工夫としては、古い電球、電灯を交換するというやり方です。
これだけで、室内の印象がかなり変わるはずです。
なお、リフォーム工事が必要かどうかは悩むところです。
リフォーム工事費が査定額にそのまま反映されれば、実施する意味はあるかもしれませんが、内覧前に清掃や断捨離をすることで、十分ではないかと思います。
自分の所有する不動産を高い価格で売りたい場合には、査定価格を上げる方法が最も確実です。
努力や工夫によって、査定価格がかなり変わってくることを十分理解しましょう。
