都道府県魅力度ランキングをめぐり群馬県知事が法的措置を検討?勝算はある?
ご当地ネタを話題にしたバラエティ番組が人気ですね。
自分の地元が出ると、良くも悪くも気になります。
いろんな都道府県ランキングは、見ていて面白いですが、都道府県魅力度ランキングに、苦言を呈した知事が話題になりました。
法的措置という言葉まで飛び出しましたが、本当に法的措置は可能なのでしょうか。
都道府県魅力度ランキングとは?
群馬県が44位となった、都道府県魅力度ランキングとは、どんなランキングなのでしょうか。
民間調査会社の調査
都道府県魅力度ランキングとは、民間の調査会社が年1回行っているものです。
消費者に対して、「自治体について、どの程度魅力を感じますか」と質問し、「とても魅力的」「やや魅力的」などの回答を数値化してランキングしたものだそうです。
調査会社は「地域ブランド調査」として、結果について詳しくネットで発表しています。
ランキング内容は?
2021年都道府県魅力度ランキングの1位は北海道、2位は京都府、3位は沖縄県となっており、人気の観光地となっている都道府県が、上位にきています。
ちなみに、問題となった群馬県は44位ですが、45位は埼玉県、46位は佐賀県、47位は茨城県と続いています。
でも、この調査は、単にランキングのみの発表ではなく、魅力度が増えたのかどうかも発表されています。
全体的に前年に比べて魅力度数は上昇しており、順位に変動はなくても、魅力度は上がっている自治体も多いようです。
順位だけがすべてではなさそうですね。
なぜ山本知事はこのような発言をしたのか?
何かと話題となるランキングですが、山本知事は、なぜ「法的措置も検討したい」と発言をしたのでしょうか。
群馬県には魅力がない?
山本知事は、順位が下がったことに対して、こだわっているようです。
順位が下がることは、群馬県に魅力がないと誤解される懸念がある、といった発言をしています。
さらには、「県民の誇りを低下させるのみならず、経済的な損失にも繋がる由々しき問題」とも発言しています。
群馬県のイメージダウンで、観光客が減り、経済的な損失が出るかもしれない、と懸念しての発言だったようですね。
魅力度ランキング自体も問題視
山本知事は以前にも、魅力度ランキングについて、定例記者会見で発言していました。
社会的な影響力の大きさを考えれば、社会的責任を果たしていない、正確性に欠けるずさんなランキングだ、と批判していました。
そういったことから、今回の強い発言へつながったのかもしれせんね。
裁判をしたら勝算はある?
山本知事は、法的措置も検討、とまで言っていましたが、裁判をすると、勝算はあるのでしょうか。
違法性があるかどうか
ランキングで、社会的評価を低下させられ、名誉棄損や不正競争防止法違反が認められた事例はあります。
でも、そのランキングが違法というためには、内容や根拠が虚偽であることを裏付ける必要があります。
ランキングは、特定の事項についての意見を集約して、一定のルールに基づいて行われるものです。
そのため、ランキングは一種の意見表明ともとれます。
魅力度ランキングの発表を行う調査会社も、山本知事の発言に対して、表現の自由の妨害ではないか、といった回答もしています。
今回のランキングでは、群馬県だけを意図的に低い順位にしたなどの不正はなく、違法性が認められるのは、困難だと思われます。
不正競争防止法違反としても困難
不正競争防止法違反に該当するためには、双方が競争関係にあることが必要になります。
自治体と民間会社とでは、通常、競争関係にはならないため、不正競争とはならなそうです。
そのため、不正競争防止法違反としても、裁判をすることは困難ですね。
どちらにしても、群馬県の法的措置は難しそうです。
民間の調査会社が発表した、都道府県魅力度ランキング。
ランキングで下位となった群馬県の知事が、調査会社に対して、法的措置も辞さない、といった発言をしました。
ランキングは、一定のルールに基づいて集計されており、不正に順位付けはされていないようです。
ランキングの違法性を認めるのは困難で、法的措置も難しそうです。
ランキング下位であっても、都道府県はそれぞれに魅力があります。
知事は、さらなる魅力の発信に努めるほうが良いかもしれません。